旅日記

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3日目(前) 8月16日 (木)快晴!
鴨川→富浦


■爽快!

4:50起床。いつもよりはゆっくりなペース。
近くの公衆便所で顔を洗い歯を磨く。もちろんまだ暗い。黒い猫がこっちを見て変な声を出していた。怒ってるでも甘えてるでもない。なんだろ。

小屋に戻りテントをたたみ、部屋の中を軽く掃除する。
「ありがとうございました。」とペコリと一礼して出発。5:50

夏の朝というのは本当に気持がイイ!
涼しくてスピードを出すほどに風が心地よい。空気は澄み新鮮だ。

少しずつ明るくなってくる。
今日はずーっと海沿いを走ることが出来た。いつも崖から見下ろす太平洋。
その美しさにぐっとくる。

朝のうちには少し雲があり、生まれたての太陽がちっこい雲に隠れてしまった。
が、その強烈な光の帯が海面を照らしている。
オーバーではなく「神々しい」と思った。
このパノラマの絶景をネガ反転するとミケランジェロの「最後の審判」のようなイメージになるのではないか。

7時を過ぎると雲もなくなり空は澄んだ青一色となった。
左を見ると絶えず海。いつ見ても雄大。
「気持いい〜〜〜(^^)」
一人でミスチルの「I'll be」を大熱唱する。

「♪気がつきゃ勇み足そんな日には深呼吸をしてみんだ〜
 ♪Tシャツの中を泳ぐ風と共に歌いながら〜
 ♪渇きを癒せない砂漠のようになんだって飲み込んでしまえる〜
 ♪そんな漠然としたイメージだけが今日も僕を支えてんだ〜」

本当にそんな気持である。
今日はこの曲を何度も何度も歌った。


■希望の光

「潮風王国」という場所で朝食後、磯に降りてみる。
こんな大量のヤドカリを見たのは初めてだ。
魚追っかけたり隠れたカニの写真を取ったりしてゆっくり遊んだ後、出発!

しかし今日は本当に天気がいい!
昨日までもメッチャ晴れてはいたけど、今日は暑いながらもすがすがしい。
景色もいいし。もともと一番大好きな季節。
体も軽く、どこまでも加速していけそうな気分。

いつの間にか房総の先っちょに来ているようだ。
Tシャツを脱いで走ることにする。

この当りが最も景色の良いところだろうなー。
海に沿っているところも草むらのなかの一本道を駆け上っているところも、空の青さが子供のころのように濃い。

なんと言うか……。
視野の全てを照らすまばゆい光の中で、景色も色も空気も太陽も風も9ちゃんの加速も!全てが最高潮に気持がいい!!
こういう中では自分にきらきらの希望に感じるのだ。

「♪何度ヘマしたっていいさ 起死回生で毎日がレボリューション」
「♪全部放り出して コンプレックスさえもいわばモチベーション」

一人で自転車をこいでいると自分についていろいろなことを考える。
性格的に自分に足りないものとかダメなところ、そして過去の苦しい経験なんかをずーっと思い出してしまうのだが、その全てを光の中で前向きに「天日干し」できた。

これまでそれなりに傷を負い、リスクをとってチャレンジしては負けを繰り返して、何度も何度もどん底に叩き落されて何度も自信をゼロにされてきた。
その全てもが誇らしく感じられる。その結果できあがった自分を誇らしく思えるのだ。
乗り越えてこんないい思いしているんだもん。
めったに無い経験であった。意外かもしれないが(笑)。


■洲崎

最南端の野島崎をとおり、「房総フラワーライン」に入る。
この辺で歌っていたのはGLAYの「summer FM」。
思わず口をついていた。

やがて洲崎に到着。ここからは東京に向けて北上することになる。
洲崎塔にまで登り景色を眺める。
降りてすぐのお店に「すいか一人前250円」との看板が。
すいか大好きっこの私は「マジー(^^)」なんつって店に入る。クーラーって久しぶりだな−。

お店のおばあちゃんが「コンコン」とすいかたたいておいしいのを探してくれた。
切りたての冷たいすいか! んー甘い!
外に出てかぶりついてる写真を撮ってもらう。
麦茶までもらって気力充実。サー行くぞ!

次なる目標を富浦の原岡キャンプ場に決めた。
テントを張った後もうちょっとすすんで弁天温泉ってのに入ろう!

道すがら、ある坂道を登ったときにどうしても我慢が出来なくなり、ショートパンツのまま砂浜におりて海へドッポーン!!
「キャーくらげちゃんよ、くらげちゃんよー!」とはしゃぎながら泳いだ。

この当りは全くサーファーはいなくて家族連ればかり。
幼稚園児ぐらいのガキには引かれていた。ちっ!俺は楽しんでんだからいいだろー。

あがってしばらく服を乾かしてから出発。
すぐ乾いちゃうんだな。

何度も書くが今日は全てが最高で気持がいい。
必ずもう一度来ようって思っていたけど、おそらく2度とここまでの感激は無いであろう。
天気にしても何にしても、あまりにも良いことが重なりすぎている。運がよすぎだ。
「もうここには来れないなー」

とにかく今の瞬間を楽しもう。
あまりにも美しい海を見ながら決心した。
それと同時に、新たなる確信が心に浮かんできた。
「これだけいい思いしているんだから、必ず悪いことがあるに違いない……。」

これまでの過程でもずっとそうだった。
良いことがあると悪いことが起こり、辛い目にあうと嬉しいことが起こる。
もはや未来すら達観し始めた哲人の私は心の受け入れ体勢をとっていたのだが……、
それは空腹と共にやってきた!

この先、私の身にとんでもないできごとがー!!!(ファイトクラブ風)

後半へ続く

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